第35回日本顔面神経研究会をわれわれ福島県立医科大学形成外科学講座が主催できることは、大変名誉なことと感謝申し上げます。過去に形成外科が主催した本研究会は当時東京大学形成外科の波利井清紀教授が主催された第22回の研究会で、13年前にさかのぼる平成11年のことでありました。その当時は、形成外科の中でも顔面神経の再建に手を染める医師はまだ少ない時代でありました。その頃からすると、本研究会に出席する形成外科医の数はけた違いに増加しております。本研究会を再び形成外科が主催させていただけたのはそのような事情も背景にあるかと思われます。
しかし、主催が形成外科であるからといって、内容が形成外科に偏ってはならないことは言うまでもありません。本研究会の良さの一つは分野の違う科が集い、総合的に顔面神経に対する理解を深めることのできる点であり、その意味で多数の科の先生方のご参加が強く望まれます。特別講演はすべての科の先生が興味を持たれるであろう顔面神経電気生理学における大家である木村淳先生をお招きいたしました。ご存じのように木村先生は大著「Electrodiagnosis in Diseases of Nerve and Muscle: Principles and Practice」の著者であります。木村淳先生には1989年6月に開かれた秋田での第12回本研究会で「顔面神経の電気診断法」という題でご講演を頂いたことを記憶しております。それから23年を経て再び木村先生をお招きし、電気診断法の研究の進歩をお話しいただけることになりました。当時先生は京都大学神経内科におられましたが、現在はアイオワ州立大学教授としてご研究を続けるかたわら、全世界を股にかけてご講演をしておられます。
ご講演を依頼したのは折しも福島原発からの放射能が降り注いでいる時でありましたが、先生は苦も無く承諾されました。貴重なお話を伺えるものと期待しております。


